Q) 新型コロナウイルス肺炎について、最新の治療法情報は?
最新の情報は次の通りです。
1) ナファモスタット
東京大学医科学研究所は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染阻止を期待できる国内既存薬剤として、「ナファモスタット(商品名:フサン)」を同定したと発表した。
COVID-19の原因ウイルスSARS-CoV-2の感染の最初の段階であるウイルス外膜と、感染する細胞の細胞膜との融合を阻止することで、ウイルスの侵入過程を効率的に阻止できる可能性がある。
今年3月初めにドイツのグループはナファモスタットの類似の薬剤である「カモスタット(商品名:フォイパン)」のSARS-CoV-2に対する有効性を発表したが、これに比べナファモスタットは10分の1以下の低濃度でウイルスの侵入過程を阻止できるという。
(引用:Web情報:「糖尿病リソースガイド」トップページ » ニュース/最近の関連情報 » 新型コロナウイルスの感染を阻止する薬剤を同定 急性膵炎治療薬「ナファモスタット」がウイルスの侵入過程を効率的に阻止 東京大学医科学研究所)
2) HydroxychloroquineとAzithromycinの二剤併用
Michael Coudrey氏のTwitterより直接引用
3) イベルメクチン
イベルメクチンは、マクロライド系の薬剤。腸管糞線虫症の経口駆虫薬であり、疥癬、毛包虫症の治療薬でもある。
(TBS News 5日 1時38分 より抜粋)
オーストラリアの大学が2020年4月4日、アタマジラミ症などの寄生虫感染症の治療薬「イベルメクチン」が、新型コロナウイルスの抑制に効果があったと発表した。
これは、オーストラリア南東部メルボルンのモナッシュ大学の研究チームが発表したもので、アタマジラミ症などに使われる抗寄生虫治療薬の「イベルメクチン」が、実験の結果、新型コロナウイルスの抑制に効果があったとしている。
「1回量のイベルメクチンで新型コロナウイルスの複製を48時間以内に止めることができた」(モナッシュ大学 カイリー・ワーグスタフ博士)
「イベルメクチン」は、2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大学特別栄誉教授が発見した放線菌から開発され、年間3億人の治療に使われる寄生虫による感染症治療薬で、オーストラリアなどですでに30年以上、使われている。モナッシュ大学では、今後、「イベルメクチン」の臨床試験を行い、できるだけ早期に新型コロナウイルスの治療薬として応用したいとしている。
ー以下、「Antiviral Research; Available online 3 April 2020, 104787」より抜粋
The FDA-approved Drug Ivermectin inhibits the replication of SARS-CoV-2 in vitro
Highlights
•Ivermectin is an inhibitor of the COVID-19 causative virus (SARS-CoV-2) in vitro.
•A single treatment able to effect ∼5000-fold reduction in virus at 48h in cell culture.
•Ivermectin is FDA-approved for parasitic infections, and therefore has a potential for repurposing.
•Ivermectin is widely available, due to its inclusion on the WHO model list of essential medicines.
4) レムデシビル
米国、日本などで新型コロナウイルス感染症に対する国内初の治療薬として承認されてた。
レムデシビル(Remdesivir)は、新規ヌクレオチドアナログのプロドラッグで、抗ウイルス薬である。エボラ出血熱及びマールブルグウイルス感染症の治療薬として、後に、一本鎖RNAウイルス(RSウイルス、フニンウイルス、ラッサ熱ウイルス、ニパウイルス、ヘンドラウイルス、コロナウイルス(MERSおよびSARSウイルスを含む))に対して抗ウイルス活性を示すことが見出された。
ただし、複数の臨床試験で有効性を疑問視する結果も出ている。例えば、米Gilead Sciences社は、COVID-19の重度の入院患者を対象にした臨床試験で、初めに症例登録された397例を解析した結果、同薬の5日間投与と10日間投与で有効性などに有意差は認められなかったと発表した。
5) シクレソニド(気管支ぜんそく治療薬)